特定非営利活動法人 あなたのくうかんおおいた代表理事 小西忠司でございます。
当法人が運営する理科フリースクール マイムのホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

ここでは、子どもたちが「自分は大切な存在」と実感し、新しい価値観や学びに出会える場を作りたいと思った経緯と、私の想いをお伝えします。

2011年、東日本大震災による福島第一原発の爆発を目の当たりにし、私は深い衝撃を受けました。かつて火力発電所の基本設計を担当していた技術者として、技術の儚さ、人間の無力さを痛感し、それまで築いてきた信念が音を立てて崩れていくのを感じました。

それからの5年間、私は教育や研究に励みながらも、工学への興味を失った自分と葛藤し続けました。しかし、その経験を通じて、学ぶ意欲を持てない学生の気持ちが痛いほど理解できるようになりました。

大分高専に赴任して以来、私は社会貢献に関心を持ち、学生と共に養護施設での学習指導を続けてきました。聖書の「あなたの手に善を行う力があるとき求める者にそれを拒むな」という言葉に導かれ、子どもたちの支援が自分の使命であると感じるようになりました。

2016年、プロテスタント教会で、「神と人の破れ口に立つ者になりたい」という夢が与えられました。学校に行くのがつらい子どもたちに何かできるのではないかという思いが徐々に膨らみ、具体的な行動へとつながっていきました。

大分県発達障がい者支援専門員の研修を受講し、国内や海外のフリースクール視察や教員研修に参加しました。こうした学びと経験を活かし、研究と教育で築き上げた信頼できる先輩方の支援を受けて、2020年4月、特定非営利活動法人「あなたのくうかんおおいた」を設立しました。

「Einmalige Begegnung」——それは、会社員を退職する際に上司から贈られた言葉で、「唯一の出会い」という意味を持ちます。

私自身、これまでに多くの人との出会いに恵まれました。妻、牧師、宣教師、親友、大学院の指導教員、さらには米国や韓国の大学教授や外国人の友人など、異なる背景を持つ方々とのご縁が、人生を豊かにしてくれただけでなく、価値観を揺さぶられる経験をもたらしてくれました。 新しい視点を得るたびに、これまでとは違うものの見方をするようになり、歩き方を見つめ直す機会にもなりました。

理科フリースクールマイムは、生徒たちがいろんな人と出会い、新しい価値観や考え方に触れられる場でありたいと考えています。

人に対して、自然に対して、物事に対して素直であることが大切と思っています。

そして、最初にマイムを訪れた時に感じた新鮮な気持ちで、日々慣れることなく、新しいことに挑戦して欲しいと願っています。

私が理科フリースクールマイムを設立する際に、不登校親の会で不登校の当事者や保護者のエッセイに基づいて編んだフレーズをご紹介します。

生徒たちが安心して過ごし、自分の好きや夢中になれることを見つけ、自由に挑戦できる場を大切にする想いが込められています。
個性を尊重し、支え合いながら成長できる、「自分は大切な存在」と確信できる居場所を目指しています。

ここまでお読みくださってありがとうございました。

当スクールのホームページを多くの方々にご覧いただき、マイムの活動をより広く知っていただければ幸いです。

代表理事 小西忠司